【2026年版】システム・アプリ開発に活用できる補助金3選|補助金申請における注意点も解説
ブログ
【2026年版】システム・アプリ開発に活用できる補助金3選|補助金申請における注意点も解説
社内の業務効率化や生産性向上を目的として、システム導入やアプリ開発を検討している企業は少なくありません。しかし、システム・アプリ開発は初期投資が大きく、予算の確保がネックになるケースも多いのが実情です。
そこで検討したいのが、国や公的機関が提供する補助金制度です。ITやシステム開発に使える補助金をうまく活用すれば、自己負担を抑えながら必要な投資を行うことができます。

本記事では、2026年に向けてシステム・アプリ開発に活用しやすい代表的な補助金を3つ紹介するとともに、申請時に必ず押さえておきたい注意点についても解説します。
※本記事の内容は、2025年12月25日時点で各補助金の公式サイトに掲載されている情報をもとに作成しています。最新情報は必ず各運営元の公式情報をご確認ください。
- 1. 補助金の有効活用でIT化・DX化を加速しよう
- 2. システム・アプリ開発に活用できる補助金3選
- 2.1. 1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(補助上限額:最大2,500万円)
- 2.2. 2. 中小企業省力化投資補助金(補助上限額:最大8,000万円)
- 2.3. 3. 中小企業新事業進出促進補助金(補助上限額:最大7,000万円)
- 3. 補助金の申請に必要な書類と作成のポイント
- 3.1. 経営計画・事業計画
- 3.2. 補助希望額・経費関連書類
- 3.3. 会社情報・各種添付書類
- 4. 補助金を申請する前に押さえておくべき重要なポイント
- 4.1. 補助金を受け取ることを目的にしない
- 4.2. 補助金の受給前に発生する資金を確保しておく
- 4.3. 不採択や満額支給されない可能性もある
- 4.4. 入金がゴールではない
- 5. 補助金申請の負担を減らしたい場合は、信頼できる専門家への相談も検討しよう
- 6. まとめ
- 7. 補助金を活用したシステム・アプリ開発なら株式会社アイラボへ
補助金の有効活用でIT化・DX化を加速しよう
補助金を活用すれば、システム・アプリ開発にかかる初期投資の負担を軽減できるだけでなく、後回しになりがちなIT投資やDX施策にも踏み切りやすくなります。一方で、補助金はあくまで事業の成長や生産性向上を目的とした投資を支援する制度なので、「お金がもらえるから」という安直な考えで申請しない方が賢明です。また、それで仮に採択されたとしても、目的なく導入したシステムは結局社内に浸透せず無駄になってしまう可能性が高いでしょう。
必要性をしっかり見極めたうえで、自社が取り組みたいシステム・アプリ開発の目的と補助金の趣旨が合致していることを確認し、自社の成長にとって欠かせない取り組みにのみ、補助金を活用しましょう。
システム・アプリ開発に活用できる補助金3選
ここからは、主に中小企業向けの補助金のうち、システム・アプリ開発に活用されることの多いものをおすすめ順で3つ紹介します。なお、複雑化を避けるため、特例枠などは除き、基本的な枠組みのみを取り上げています。

1. ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(補助上限額:最大2,500万円)
| 運営主体 | 全国中小企業団体中央会 |
| 補助上限額 | 従業員数 5人以下 750万円 従業員数 6~20人 1,000万円 従業員数 21~50人 1,500万円 従業員数 51人以上 2,500万円 |
| 補助下限額 | 100万円(補助事業経費200万円未満は申請不可) |
| 補助率 | 小規模事業者 2/3 中小企業 1/2 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から10か月以内 |
| 申請における最低条件 | ・中小企業・小規模事業者であること ・新たな価値を提供するために自社の技術力等を活かして新商品・新サービスを開発することを目指した補助事業であること ・付加価値額の増加、賃金の増加、事業所内最低賃金の一定水準維持(従業員数21名以上の場合は、それらに加えて一般事業主行動計画の策定・公表)の所定の要件をすべて満たすこと |
| 申請受付期間 | 22次:2025年12月26日~2026年1月30日 ※23次公募は2025年12月時点では未公開 |
| 採択率(直近3回平均) | 約33.7% |
「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は、日本の中小企業を対象にものづくりや商業、サービスを支援する補助金です。通称「ものづくり補助金」と呼ばれることから、製造業のみが対象と思う方もいるかもしれませんが、業種は限定されていません。顧客に新たな価値を提供する新製品・新サービスの開発を伴うことが必須要件となっており、既存の製品やサービスの提供プロセスを改善するだけのシステム導入は補助対象外です。
システム・アプリ開発で活用する場合は、そのシステム自体が新たな製品・サービスの中核を担っている必要があります。また、同業他社ですでに広く普及しているサービスと同様の内容では革新性が認められにくいため、採択される可能性は低いでしょう。補助上限額は以降に紹介する補助金より小さいものの、要件に合致すれば活用しやすい補助金と言えます。
なお、株式会社アイラボでは本補助金を活用して750万円の補助事業を実施した実績があります。補助事業の条件や申請のポイントなどもお伝えできますので、お気軽にお問い合わせください。
2. 中小企業省力化投資補助金(補助上限額:最大8,000万円)
| 運営主体 | 全国中小企業団体中央会 |
| 補助上限額 | 従業員数 5人以下 750万円 従業員数 6~20人 1,500万円 従業員数 21~50人 3,000万円 従業員数 51~100人 5,000万円 従業員数 101人以上 8,000万円 |
| 補助下限額 | 指定なし |
| 補助率 | 小規模事業者・再生事業者 2/3 中小企業 1/2 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から18か月以内 |
| 申請における最低条件 | ・中小企業・小規模事業者であること ・人手不足解消につながる省力化投資であること ・オーダーメイド性のある設備・システムであること(単価 50万円以上の機械装置等の設備投資が必須) ・労働生産性・付加価値額向上が見込まれること |
| 申請受付期間 | 第5回:2026年2月上旬~下旬(予定) |
| 採択率(直近3回平均) | 約65.4% |
「中小企業省力化投資補助金」は、人手不足に悩む中小企業等が、IoT・AI・ロボットなどのデジタル技術を活用し、生産性向上や業務の省力化を図るための投資を支援する補助金です。最大の特徴は、「オーダーメイド設備」への投資が対象となる点にあります。オーダーメイド設備とは、生産工程の自動化のためにICTやIoT、AI、ロボット等を活用し、個々の業務に応じて専用で設計された機械装置やシステムのことであり、ソフトウェア単体ではなく機械装置等の設備に付随する機能としてのシステムやアプリのみが対象となる点には注意が必要です。
また、事業計画では業務の自動化や人手作業の削減、付加価値額や生産性の向上につながることを示さなければならないことに加え、現地調査や実績確認も行われるため、補助額は大きい一方で実行可能性と実態に即した計画策定が求められます。
3. 中小企業新事業進出促進補助金(補助上限額:最大7,000万円)
| 運営主体 | 独立行政法人中小企業基盤整備機構 |
| 補助上限額 | 従業員数 20人以下 2,500万円 従業員数 21~50人 4,000万円 従業員数 51~100人 5,500万円 従業員数 101人以上 7,000万円 |
| 補助下限額 | 750万円(補助事業経費1500万円未満は申請不可) |
| 補助率 | 1/2 |
| 補助事業実施期間 | 交付決定日から14か月以内 |
| 申請における最低条件 | ・中小企業・小規模事業者であること ・製品・サービスの新規性、市場(顧客層)の新規性、新事業による売上・付加価値の創出の3要件をすべてを満たす新事業であること ・新事業が一定規模以上に成長する計画であること |
| 申請受付期間 | 第3回:2026年2月17日~2026年3月26日 |
| 採択率(直近3回平均) | 約33.7% ※過去の事業再構築補助金の実績をもとに算出 |
「中小企業新事業進出促進補助金」は、事業再構築補助金の後継制度として位置づけられており、既存事業とは異なる新市場・新分野への進出を目指す中小企業の新事業を支援する補助金です。単なる業務改善や既存サービスの延長では対象とならず、「製品・サービスの新規性」「市場(顧客層)の新規性」「新事業による売上・付加価値の創出」という3つの要件をすべて満たす必要があります。
そのため、システム・アプリ開発を補助対象とする場合でも、社内業務の効率化や既存顧客向けの改善ツールなどではなく、新たな事業として成立することが前提となります。補助上限額が最大7,000万円と非常に高く、大規模なシステム開発や新規サービス立ち上げにも対応できる一方で、事業計画の完成度や実現性が厳しく審査される点には注意が必要です。新規事業を本格的に立ち上げたい企業に適した補助金と言えるでしょう。
補助金の申請に必要な書類と作成のポイント
補助金はいずれも申請書類の作成が必要であり、採択の可否は書類の精度によって決まります。申請に必要な書類の種類と作成のポイントを紹介します。

経営計画・事業計画
補助金申請において最も重要となる書類が、対象となる事業で実現したい未来を示す経営計画や事業計画です。補助金によって記入項目は異なり、各補助金の公式サイトでダウンロードできるテンプレートをもとに作成しますが、会社の現状や補助金を活用して取り組む事業の内容、その結果としてどのような成果が見込まれるのか、などの項目はどの補助金にも共通しています。
特にシステム・アプリ開発の場合、「なぜ今そのツールが必要なのか」「システム・アプリ導入によって事業にどのような変化が生じるのか」を明確に示すことが求められます。補助金の趣旨と補助事業で実現したいことが合致しているかを意識して記載することが重要です。
補助希望額・経費関連書類
補助金は補助対象となる経費が厳密に定められており、その根拠となる見積書や契約書の内容も審査対象となります。システム・アプリ開発では、開発内容と見積金額の対応関係が分かりにくくなりがちなため、どの作業・機能にどれくらいの費用がかかるのかを明確にしておくのが望ましいです。また、交付決定前の発注や契約は補助対象外となる点にも注意が必要です。申請前の段階で、補助金対応の実績がある開発会社と相談しながら準備を進めるとスムーズでしょう。
会社情報・各種添付書類
申請時には、法人情報や決算書、従業員数を確認できる資料など、事業者の基本情報に関する書類も提出が求められます。これらは形式的な書類と思われがちですが、記載内容の不備や数値の不一致があると、それだけで不採択や差し戻しの原因になることがあります。特に従業員数や資本金は補助金によっては補助上限額や補助率に影響するため、必ず最新の正確な情報を提出しましょう。事業計画だけでなく、こうした基本情報の確認も含めて、余裕を持って準備を進めることが大切です。
補助金を申請する前に押さえておくべき重要なポイント
補助金は、採択されれば数百~数千万円のコスト削減につながる可能性があるため、資金面で不安のある場合は最適ですが、すべての企業にとって申請した方が良いとは限りません。補助金の申請や補助事業の実施にはかなりの時間と労力、そして補助があるとはいえ一定の資金を要するので、前もって以下の内容を押さえたうえで実施可否を検討しましょう。
補助金を受け取ることを目的にしない
補助金は事業を成長させるための手段であり、受給そのものを目的にしてしまうと、本来の事業計画とのズレが生じやすくなります。システム・アプリ開発においても、「補助金があるからやる」という発想ではなく、「やるべき事業があり、その一部を補助金で支援してもらう」という考え方が前提となります。仮に補助金が不採択となった場合でも、一定程度は事業として成立する計画になっているかを事前に把握しておくことで、補助金に振り回されない健全な投資判断が可能です。
補助金の受給前に発生する資金を確保しておく
補助金は原則、採択の数か月後の後払い方式となっており、補助対象となる経費はいったん事業者自身が全額支払う必要があります。システム・アプリ開発では開発費用が高額になることも多いため、補助金が入金されるまでの資金を確保しておかなければ、事業の継続に支障をきたす可能性があります。補助金を活用する場合は入金時期を過度に期待せず、自己資金や融資なども含めた資金計画をあらかじめ立てておくことが重要です。

不採択や満額支給されない可能性もある
補助金は審査制であり、申請すれば必ず採択されるものではありません。補助金によっても異なりますが、採択率は3~5割程度が一般的なので、半分以上の事業者は採択されないと考えておいた方が良いでしょう。また、採択された場合でも、申請時に想定していた補助額が満額支給されないケースもあります。審査の過程で補助対象外と判断される経費が減額されることもあるため、想定より自己負担が増える可能性を考慮しておく必要があります。こうしたリスクを踏まえ、補助金が不採択・減額となっても事業計画が破綻しないかを事前に検討しておきましょう。
入金がゴールではない
補助金は入金された時点で終わりではありません。補助事業の完了後には実績報告が求められ、さらに一定期間、事業の成果や経営状況について報告義務が課される場合もあります。また、補助金によっては、付加価値額や賃金水準などの条件が設定されており、未達の場合には返還しなければならないことも。補助金はあくまで事業を継続・成長させるための制度であるため、報告書作成など手続きを忘れないことはもちろんですが、入金後も補助事業を通じて成果を上げるという意識を持ちましょう。
補助金申請の負担を減らしたい場合は、信頼できる専門家への相談も検討しよう
補助金は採択されれば大幅なコスト削減につながる一方で、数十ページに及ぶ公募要領を読み込み、補助対象の範囲や要件を正確に理解する必要があります。さらに、事業計画書をはじめとした申請書類の作成、採択後の各種手続きや報告対応など、申請から補助金受給までには相応の手間と時間がかかります。そのため、補助金申請に伴う業務負担によって日常業務に支障が出ることを避けたい場合は、補助金申請に精通した専門家のサポートを受けるのも良いでしょう。

アプリ開発を得意とする株式会社アイラボでは、補助事業として最適なシステム・アプリの企画・提案を行うことができます。それに加えて、補助金申請については、中小企業診断士の資格を持つ経営コンサルタントと連携しており、これまでも申請支援から補助事業の実行までを一貫してサポートしてきた実績があります。必要に応じてこうした専門家をご紹介することも可能です。
補助金制度は種類が多く内容も複雑ですが、専門家のサポートを受けることで、必要な情報を整理しながら適切な手順で申請を進めやすくなり、結果として手続きにかかる工数を抑えることができます。また、多くの補助金採択実績のある専門家のチェックを通せば書類の申請内容の精度が高まり、採択につながりやすくなります。
本記事で紹介した補助金に限らず、都道府県や市区町村が実施する地域独自の補助金にも対応しているので、補助金の活用を検討する際はお気軽にご相談ください。
※近年、補助金申請代行業者による不正受給や不適切な申請が問題となっており、各補助金の公式サイトでも注意喚起が強化されています。外部の協力を受ける場合であっても、事業計画書の作成をすべて丸投げするのではなく、補助事業の内容や計画については、あくまで事業の主体である自社が主導することが重要です。専門家には助言やサポートを中心に依頼し、制度を正しく理解したうえで申請を進める姿勢が求められます。なお、アイラボがご紹介する専門家においても、書類作成をすべて代行する形での支援は行っていないのであらかじめご了承ください。
まとめ
システム・アプリ開発に補助金を活用することで、投資リスクを抑えながら事業成長につながるIT投資を行うことが可能です。一方で、補助金にはそれぞれ明確な目的と要件があり、すべてのシステム・アプリ開発が対象になるわけではありません。自社の目的に合った補助金を選び、無理のない事業計画を立てましょう。
補助金を活用したシステム・アプリ開発なら株式会社アイラボへ














